鑑賞

グレムリンについて

回転寿司に当たって会社を休んだ時に暇だったので、久しぶりに『グレムリン』を観てみた。クリスマス映画の定番だしね。 本当に幼い頃以来だったのだが、改めて観ると「へえーこんな映画だったのか」と思った点がいくつか。 グレムリンが日本人をモデルとし…

メディア芸術祭@新美

ツイッター公式アカウントでは入場規制とアナウンスされていたので、まあ休日だし無料だしと覚悟はしていたが、入口で1分ほど待ったくらいで全然大したことなかった。飽かず繰り返される印象派展とかの方がよっぽど酷いのはどうしてだ。 メディア芸術という…

鳥公園『透明な隣人〜8―エイト―に寄せて〜』

@アサヒアートスクエア。実際にあった同性婚をめぐる裁判をもとにしたアメリカの戯曲『エイト』。鳥公園の西尾氏が今年の夏にその公演の演出をした際、同性婚を認めるという正しさのみに向かって書かれた戯曲に覚えたある違和感を、西尾氏自身の作品として表…

アニメ『寄生獣』感想

寄生獣アニメ、2話まで見た。 ミギーはこんなんじゃない。 さんざん漫画で読まれてきた人外のキャラクターに声をあてるなんて、誰がやってもある程度の批判は免れないだろうから、声優や演出の能力をどうこう言うつもりはないが、それでも率直な感想として…

劇団普通「宇宙が怖い」@中野坂上RAFT

劇団名とタイトルに非常な興味をひかれて突入してみた。女性二人の小品5つくらい。各作品で役者の雰囲気が全然違う。方向性としては、ラーメンズみたいなことをやりたいのかな。最初の、腹違いの姉妹の初対面は、緊迫感がなかなか良かった。

チェルフィッチュ「現在地」@芸劇

ある村に流れ始めた、村の破滅の噂。信じる者、信じない者、態度を決めかねている者。村には超常現象が起こり、干上がった湖から「船」が見つかった。村の外に出る決心をする者、残ろうとする者。この村とは、地球が居住不可能となった時代のスペースコロニ…

重力/Note「偽造/夏目漱石」@小竹向原春風舎

漱石の世界からぬっと出てきたような4人の身体と声による、漱石のテクストのコラージュ。不思議空間だったけど、寝てしまった(こちらの体調のせい)ので、あまり覚えていない。何か、時々人称が発声されないということだけ覚えている。

鳥公園「カンロ」@三鷹文化ホール

学生時代に同期だった二人の女性、益子と井尾。先日の同窓会に来ていた、友人の少ない風変わりな同級生・笠原の話で盛り上がる。益子によれば、笠原は勤め先の高校で恋(不倫)をしており、ファッションを教えてほしいと大して話もしたことのない益子の家ま…

グルスキー展@新美

膨大な数の人間による一秒一秒の行為の積み重ね、そしてその束、あるいはいつ始まったかもわからない物理的な因果関係の結果としての風景、あらゆる場にはいつも気の遠くなるような時間の蓄積がある、その痕跡を画角の範囲内において一瞬にして余すところな…

ファインバーグコレクション@江戸博

これ!という印象を広告等から特に受けず、ぼんやりした気持ちで行ってみたのだが、最終日のためか大混雑で驚いた。皆さん、何を求めていらしたのですか。 最初は琳派。抱一の12か月の軸はなかなか壮観だった。琳派はまあやっぱり綺麗だよねって感じで、こ…

シベリア少女鉄道『遥か遠く同じ空の下で君に贈る声援2013』@王子小劇場

シベリア少女鉄道については、この冬くらいにその存在を知ると同時に、自分の周囲で同時多発的にその名が挙がったので、これも何かの縁かと思って観てみることにしたのである。 吉本新喜劇のあのOP曲で幕が開く。喫茶店、新喜劇調の舞台設定。 冴えないお…

太宰治VS津島修治@鎌倉文学館

初夏の鎌倉にて、太宰の残した文章から太宰の生涯を追う。 津島=太宰という個人と社会との狭間で、こおろこおろと形になっていったであろう彼の言葉。彼の文章は美しい、天才だ。しかし改めて、太宰は、駄目な人間だったのだな、と確信した。僕はこのたび太…

カトリ企画UR『紙風船文様 Vol. 2』@巣鴨教会

教会の日曜礼拝。最前列の夫婦が出かけるの出かけないのと小競り合いを始める。聞き耳を立てる参列者。二人は次第にその場を忘れ、二人だけの世界に没入してゆく。 教会での上演とのことで、祭壇を舞台にしてやるのかな、などと平凡なことを考えていたら、普…

たまにはテレビの話を

ちょっと前のことだけど、NHKスペシャル「病の起源」がんの回がなかなかおもしろく、何となくインスパイアされている。 単細胞生物から、細胞分裂により体を作る多細胞生物への進化じたいが、がんという宿命と不可分だった。特に人類は、繁殖戦略の変化、…

アートと音楽@都現美

タイトルの意味はよくわからなかった。例えば、「アートと美術」と言った時に、それぞれの微妙なニュアンスの違いが浮き彫りになる。ここでの「音楽」もそのように、即ちリズムやメロディやハーモニーを伴って、聴覚的美感に訴えかけるものとでも理解すれば…

ガンバレ それは聞き飽きたバイバイ

先日の「エッグ」は椎名林檎が音楽をつけてるということでも話題になっていたが、かなり良かった。しっかり芝居にシンクロしてるんだけど、ちゃっかり林檎林檎しているあたりが、実によかった。前半だったと思うがどの歌か忘れた、苺が安倍の車椅子を押しな…

NODA・MAP「エッグ」

改修中の劇場から、寺山修司の遺稿が発見される。それは「エッグ」というスポーツの振興のために制作された宣伝フィルムの脚本だった。

ここ一年くらいで見た物

2ヶ月あいた。 展覧会の感想をevernoteなんかにちまちま書き溜めているが、埋もれさすのももったいないので、こういうところにちゃんと書くことにしよう。 メモ取り忘れたのもあるけど、だいたいこんなのを見たよ: 20120430 KATAGAMI Style@三菱一号館 平…

過去へのまなざし

ALWAYSの第三作をやるらしいですね。第一作を観たきりだけど、まさかこんなに続くとは思わなんだ。よっぽど売れるんだな。まあ、とりあえず堀北真希は良かった。僕自身、「昭和三十年代東京」みたいな回顧の眼差しには心地よさを感じる(本来はむしろ自分の…

非劇場型人生

土曜に、友人が主宰する劇団の舞台を観に行った。 舞台の上で繰り広げられる現実を、一本のリニアな物語として説明することは、能力的に僕にはできないし、またする必要も無いと思うので、粗筋などは書かない(書けない。僕が粗筋を書けるくらいなら、その舞…

アンリ

「北斎とリヴィエール」@ニューオータニ。最終日ということを考えると、あまり混んでるとは言えなかったような。日本人好みだと思うんだがね。 大雑把な構成は、リヴィエールの三十六景→北斎の三十六景→広重、計100点ほど。エッフェル塔三十六景の表紙を…

つながる

去年の8月からずっと聴き続けているバンドがある。 networks。キーボード、ギター、ドラムのスリーピースインストバンド。 ある日ふらっと寄った渋谷ツタヤでwhite skyのどの曲かが聞こえてきて、だからじっくり聴けるわけじゃないけど何だかこれはすごい音…

CM

有史以来最強の破壊力を持つCMがこちら。 もうかなり長いこと流しているが、先日たまたま実家に帰っている時に久々に出くわして、非常に困った。 同じシリーズで、結婚前夜の娘が父親に、昔よく作ってもらった炒飯をねだるというのがあるが、あれはちょっ…

アンリ

まだ鑑賞していない。今週末で最後の「北斎とリヴィエール 三十六景の競演」@ニューオータニを今週末のうちに観に行きたい。職場でタダ券貰ったし。 ニューオータニはエッフェル塔三十六景を持ってるのかな?リヴィエールでググったら三年前のニューオータ…

太田記念美術館「小林清親」

明治十年前後の光線画と呼ばれる作品で有名な、最後の浮世絵師とも言われる清親の展覧会。太田記念美術館の、賑やかな通りから一本入るあの感じがいいね。 作品の多くは版画だが、今日は展示の初っ端に肉筆画を何幅か出していた。清親の肉筆画を肉眼で見るの…

野田MAP「南へ」

昔の野田さんの舞台は、観ていると激流に呑み込まれてぐいぐいと引き込まれるようだったが、最近のものはそのような力技よりは、ある一瞬に風景が色を得てさあっと開ける、ということがあって、今回は特にその瞬間がよくコントロールされていたと思う。 野田…

東博見学会

上野の博物館で来週行われる、文化財の保存や修理の現場を見せてくれるツアーに申し込んでいたのだが、行けることになったようだ。HPには「応募者多数の場合は抽選」とあったが、参加証が添付されたメールには、「抽選の結果あなたが当選しましたよ」とい…