キムタクがかっこよかったもので


昨年末のくそ忙しい時、というかやりかけの〆切間近の課題があった時、僕はデジイチデビューした(課題は当然しくじった)。僕は基本的にあまり物欲なんかもない方だと思うんだけど、普段そうであるだけに、一度「あ、欲しい」「あれやりたい」と思うと、却って我慢のしかたを知らないのである。
入門機は、もし長く使うのであればいつか物足りなくなるだろうとは思った。しかし自分の性格からいって、飽きる可能性を否定できなかった。即ち、いきなりあまりごついものを買うのは危険に思われた。ので、試しに1年使ってみて飽きなかったらステップアップしようと思い、とりあえずNikon D3100ダブルズームキットを買った。店頭でCanonの入門機と持ち比べたら、こちらの方が手にフィットしたのだ。
一度買ってしまったらもったいないので、出かけては写真を撮るようになった。カメラを買う動機の一つに、特に就職してから引きこもりになることを防ぐという点もあったので、これはまあ効果があったと言ってよいだろう。その後単焦点と高め倍率のズーム、2本を買い足し、何だかんだで12万くらい使ったことになる。今まで趣味らしい趣味もない自分が、ひとつのことにかけたお金としては、わりと大きい。
写真を撮るのは、公園や動物園といった、そうした行為が想定される場所が多い。街撮りは、ちょっと難しい。昔は東京散歩しながらコンデジで写真を撮ったものだが、デジイチを首から下げて下町の路地をぶらつくなんて、いかにもじゃないか。それでもまあ、見たものを形に残すことを、わりと楽しんでいる。
しかしもう少し、自分の中で手軽な存在にしなければいけないと思う。3月にスペインに行った時は、5年近く使っているリコーのコンデジを持って行った。これはこれで、ポケットに収まって、ある程度ズームはきくし、わりと起動も早いので、旅行での使い勝手は良いのだ。
どうしても一眼を持ち出すときは写真を撮ることを目的としがちで、しかもその操作が身体化していないものだから、撮りたいと思った一瞬を逃すこともある。
一眼は毛筆、コンデジは鉛筆のようなものだ。さっとメモをとるなら鉛筆が使いやすい。毛筆を手にすると、せっかくだからそれらしく書こうと思ってしまい、変にもたもたする。しかもまだ大してうまくない。しかしすこし心に余裕をもって筆を操る楽しみもまたある。
今のところ、飽きてはいない。冬のボーナスが出たら一つ上のを買おうかな、どうしよう。奨学金の繰り上げ返済に回した方がいい気もするし。ニコンの新製品発売状況との相談な気もするし。